ドイツで鍛える生活 4巻

ここまでのいきさつを読んでいない方は前書きから順にどうぞ。

 

 

1.ゲルマンの躁

ドイツの春は東京の冬くらいである。

しかし、気温は日本の冬でも。

春となると新緑が生い茂り。

芝生も木も青々とする。

木々も春だと思っているのであろう。

この気温は冬だっつううのっ!

 

そして人間はというと。 

ながーく、キツーイ冬が終わり。

気温がプラスになった上に、毎日太陽が出ているということで。 

全国民、躁状態。

 

春だーっ!といきなり。

たかが15で、Tシャツ短パン。

たかが15で全員、海に繰り出し。

(リューベックはビーチがある) 

ビキニを着てしまうゲルマン民族。

さらに。それも脱ぎ捨てトップレス。

 

私は。君たちのその浮かれっぷりがもの哀しい

太陽でそれだけ浮かれることができるということは。

太陽がそれだけ君たちから遠くにあるということなのだ。

 

しかし。そこで、それだけ上がるから。

上がった分、冬は暗く沈むのだ。

押さえろ!ゲルマン民族よ。

春は始まった。

が。春も夏も時と共に終わるのだ。

始まったということは終わるのだ。 

 

通念として。

西洋は個性を重んじ、日本は没個性である。

というのがあるが。

実は。ウェスタンピープルも。

意外と単一思想で、単一行動だったりするのである。

つまり。

ビーチに行きたくない人なんておらず。

晴れたらビーチ。

晴れたらお外でまどろまないといけない雰囲気なのである。

そこに余暇の過ごし方の多様性はない。

 

で。15でビーチに行かなきゃ!

という強迫観念がない私は何をしているかというと。

街の浮かれっぷりがなんとも気分悪い、プラス。

出不精な事もあって。

会社は行くが完全に引きこもり生活。

金曜日の夜から月曜日の朝までは誰とも話さないという、

しょうもない生活を送っている。 

(つまり、会社でしか人と話さないわけ) 

ま。お前もトップレスにでもなってこーい。

というかんじだが。

あー。それはかなりの苦行

 

インドの古い瞑想法にヴィパッサナー瞑想というのがあるという。

その合宿では10日間、誰とも話してはならないらしい。

えっ。実は。私がやっているのは。

毎週、ヴィパッサナー合宿かー!?

やっぱり、ここはお寺にちがいない。 

 

しかし。15でトップレス。

もの哀しすぎる

 

2. 女の価値と人間の価値と世間と

 イエーイ。夏だ。

10時まで明るいぜー。

ゲルマンもウキウキー。 

という季節がやってきたが

ま。それもサマータイムとか言って。

時間を人工的にいじってますからね。

 

10時であって。夜10時でない。

実は夜9時。それを。

国中が、いや。ヨーロッパ中が。

10時ということにしているという。

なんといいますか。

省エネという大義名分はわかるが。

日が長いほうがよいからってー。 

時間をいじるんじゃないっ!

もー。ほんと。即物的なのよね。

 

さて。

36歳女。単身ドイツに赴き。

その土地に自分の子供がいるわけでも。

パートナーがいるわけでもない。 

言葉が自由に操れるわけでもない。 という私。

ひたすら自分で自分を養うために。

サラリーマンとして働いているだけなのだが。 

これ。一歩間違えるとかなりイタい人である。

 

世間体としての女のハッピネスは。

非常にレンジが狭い。

そして。難しい。

結婚して養われる身分だと何も言われないが。 

自分で自分を養えば。

『でも。そんなんで。将来、どうするつもり?』となる。

つまり。 

養われるほうが社会的地位があるのである。

仕事で頑張っても。

いや。がんばれば頑張るほど。 

残念ながら。

それだけではどこかイタく見るのが女なわけです。

人間としての価値が上がっても。

女の価値が比例して上がるわけではないところに。

女の生き方の難しさがある。

 

30代。女。

自分で自分を養うために働き続け。

見た目もイケていない。というのはイタイが。

 

30代。女。

自分で自分を養うために働き続け。

服装もおしゃれでギターもバリバリ弾け。

なにか漂う雰囲気が イケている。

というのはイタくないのでは?

 

というわけで。 

その世間の狭いhappinessのレンジに

当てはめるのがはばかれるくらいの雰囲気。

私はそれを得たいのだ。

って。やっぱり。超えるべきは性別か!?(←なんでこっち方向に笑)

 

しかし。意思が弱いもんで。

日曜日は、自分を磨くどころか。

一日中ぐうたら寝たりしてもうダメダメ人間。

ま。美輪明宏の境地までいくのは大変なので。

とりあえず。イケている見た目をめざし。

ダイエットでもしますか(すごく即物的な結論)。

がんばろうかね〜。

いや。頑張っているのがバレるとこれまたイタいので。

こっそり。頑張らねばっ。

 

 

3. ドイツ生活実情まとめ

あー。寒い。本日6

なのに。5月ということで。

木々は青々として。

新緑は美しいのでわけわからん。

 

さて。先進国。ドイツ。

なんかドイツ製品とかイケているし。

ソーセージは旨そうだし。

という程度の認知度であるが。

はて。実情はどんな生活か。

 

**** 生活編 ****

1. スーパーが常に長蛇の列

基本、何をするにも長蛇の列に並ばないといけない。

一つのレジに15人とか並んでいるのはざら。

単純にレジが少ないのが原因だが。

皆、子供のころからそうやって育っているため。

国民はそこに疑問がない。と思われる。

よって。改革される気配もなし。

 

2. サランラップが恐ろしく切れない

本来はあのギザギザでちゃんと切れるもの。

という事を世の中が知らないため。

改良される見通しなし。

 

3. カップル社会

街中、皆カップル。

次が見つかってから別れたり。

別れたらすぐ次を探すのでシングルが皆無に等しい。

カップルという単位が文化に組み込まれているのはわかるが。

もうちょっと皆、一人で行動しようぜー。とも思う。

よって。意外なことに。

東京は単独行動が好きな人や。

シングルにやさしい街なのです。

 

4. ドイツにはzwillingのナイフとか。

Made in Germanyのいい製品がいっぱいあるのに。

大衆はやはり。

イケアとかの切れない包丁を使っている

 

5. ほんとに肉ばっかり食う

野菜もほとんど食わず肉だけで生きている人もいる。

で。これは私の仮説だが

私たちと人種が違うのでなく。

パンダと熊みたいに。

実は動物のカテゴリが違うような気がします。

 

犬はビタミンCが体内で生成されるため。

野菜や果物がいらないという。

それと似たような事が起きているのかも

よって。

日本人が同じ食生活をしたらビョーキになります。

 

 

**** 会社編 ****

1. 会社でも男は異常にレディーファースト。

ドアを押さえてくれるのはよいが

私からドアまでまだあと20mもあるのですが

あんまりドア押さえてずっと待たれてもねえ…。

 

2. ホントに皆働かない

労働時間。かなり短いです。

ドイツ中がそのような状態のため。

社会もそれなりにしか廻っていません。

日本の便利な社会は。

皆がたくさん働くから成り立っているのです。

 

3. ボスを呼ぶときも。HEY! 

帰るときは手を振ってバイバ~イ。

これが上司に対する挨拶

カルチャーショックであった。

 

4. ハレンチなカフェテリア

会社のカフェテリア。

ゲルマン男たちがウインクしてくるのです。

えーっ。もしや。私はドイツでモテモテかー!?

あっ。今日は別の男がまた。ウインクっ!

やばい。ドイツに定住する気なんて全然ないのに。

ここでモテてどうするーっ!?

ってか。お前ら。結婚しているがなー。

もー。皆、ハレンチだことっ!

と。しばらくエキサイティングな日々を送っていたのだが

 

なんのことはない。

男女間での挨拶らしい。

Hi!という意味だったり。

じゃあ、またね。ボクはデスクに戻るね。

とかいう意味だったりするわけであるが。

ま。つまり。そんな挨拶や簡単な会話が。

目を合わせてのウインク一つでなされるわけです。

ラテンだけかと思ってたけどゲルマンもウインクか。

もー。紛らわしいっ!

 

以上。

 

4. 思考回路にみる違い

やっぱり。人間って皆同じだねー。

人種とか関係ないねー。

と言うのが世の中の期待値であるが。

知れば知るほど。

やっぱり同じじゃないかも

 

先日。西洋と東洋の違い。

という番組をyoutubeで見たのだが 。

これがおもしろかった。

 

空を漂っていた風船が急に速度をあげて飛んでいきました。

なぜでしょう? という質問に対し。

欧米人は風船から空気が出たたからだ。

と答えるという。

(つまり、風船から空気が抜ける勢いでジェット機のようにピュ〜っと飛んで行くイメージ)

 

えーっ?!風船が飛んでいったのは。

強い風が吹いたからでしょ。バカじゃなかろうか。

と思ったのだが。解説によると。

欧米では物を見る時、その物自体を見。

また。その主体が周りに影響を受け変化する。

という考えがあまりないらしい。

 

ウーム。

会社でも思い当たる事は日々ある。

ミーティングで、とある定義を物差しに。

白か黒に判断しようと永遠と議論をしているのだが。

うーん。それはねえ

その定義をどの視点から見ているかの問題であるから。

実は。

どちらも正しいい。と同時に。

どちらも正しくないとも言える。

視点を変えると定義の解釈が変わるということです。

しかし。彼らにとっては。

正しいか。正しくないか。しかないのです。

要は。善と悪しかないのです(中間や曖昧さを嫌う)。

なぜならば。

その定義は風に影響を受けない風船 = 絶対値だからです。

 

仕事のプロジェクトなんかも彼らにとっては。

その周りに影響を受けない風船 = 絶対値であるので。

「じゃあ。その計画通りに行かなかった場合はさあ

なーんて、ミーティング中に私が口を挟むと。

計画通りに行かないわけはない。

行くはずだし。そうあるべきだ。の一点張り。

なんというか。やはり。

Yes! We can do it!』の世界なわけです。

で。もちろん。人間界ですから。

いろんなことに影響を受け予定が狂ったりするわけで。

そうすると。

「なぜだ?なぜ計画より遅れるのだーっ!」となる。

もー。お話にならん。と思って。

常々。バカじゃなかろうか

と思っていたのだが。

バカじゃなくて文化の違いなのです。

 

私としては。

ものを見るときの基本は。

視点を主体から外し。遠くからみれば見るほど。

実は。真理に近づくと思っているのだが

単に。東洋的発想なのかしらん。

 

先日。人間を含め動物は基本。

死ぬのも。生まれるのも明け方だからね。

(現代の人間は医療でコントロールされていますが

と言ったら。

全員。何それ!? とキョトンとしていた

あー。そうか。

君たちは周り=月の満ち欠け= 引力に影響を受けないのか。

要は自分次第で。

Yes, We can do it ! だから

 

でも。やっぱり。

風に飛ばされるから風船って呼ぶと思うのだが

あー。君たちは風船って呼ばないのか。

 

やはり。

知れば知るほど。

何かが遠い

 

引き続き。民族観察は続く

 

p.s. これは数億人のアングロサクソンのうち。

たった数十人を観察した感想なので。あしからず。

 

 

 

これが私のドイツの通勤路。ここを自転車で駆け抜ける。